抱きしめられた。

離婚が決まったとき 僕は 3年生で。
お父さんが 真夜中に酔っ払って帰ってきて
僕の布団にもぐりこんだ。
おとうさんは 泣きながら
僕を抱きしめて ごめんなぁ ごめんなぁ といっていた。
僕は そんな父親をみて
辛くて 悲しくて耐えられなかったから
寝たふりしてた。


この出来事の三日前くらいに
お父さんは お母さんと和解したといってた。
そのときもお父さんは 謝って
もう辛い思いはさせないからと悲しげにいっていた。


僕には 今でも誰が悪いのかわからない。
ましてや 当時の僕は もっとわからない。


でも 父親が悪いんだと聞かされてきた。
ずっと ずっと。
でもさ 悪い父親はもういなくなったのに
どうして僕は まだ苦しくて辛いんだろう。



本当に悪いのは 僕かもしれないね。
あの時 死んでたら良かったかもしれない。
そしたら おとうさんも おかあさんも
幸せでいれたかな?